経済

ゼロックス買収に立ちはだかるアイカーン氏!富士フイルムに勝算はあるのか?

富士フイルムの米ゼロックス買収提案に対し、大株主の物言う投資家カール・アイカーン氏らが反対し、
訴訟合戦に発展するなど状況は二転三転し、混迷を深めています。富士フイルムに勝つ見込みはあるのでしょうか?

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ゼロックス買収に立ちはだかるアイカーン氏に富士フイルムは勝てるのか?

アイカーン氏は、2016年の時点で、自己資産額はおよそ194億ドル、日本円にして約2兆1,500億円で、
世界で36番目にお金持ちです。300以上の会社の株式を持っています。

企業乗っ取り屋とも呼ばれ、企業の経営陣との争ってでも、株主としての要求を主張することで、
巨額の富を築いてきました。これまで関連した会社には、以下のようによく知られた会社があります。

Apple
モトローラ(通信)
ブロックバスター(DVDのレンタルショップ)
タイム・ワーナー(映画)
Yahoo
e-Bay(インターネットオークション)
チェサピーク(エネルギー)

では、アイカーン氏(82 歳)とはどのような人物で、どんな投資戦略でここまでの富を築いてきたのでしょう(Wikipedia,.investopedia.com参照)。

アイカーン氏とは

アイカーン氏はニューヨーク生まれで、哲学や医学を学ぼうとするが果たせず、大学中退後に、
人生で本当にやりたいと思ったものは投資で、投資で成功したいという強い思いを持つようになったということです。

<アイカーン氏の投資戦略>
1980年代はハゲタカ投資家として知られていました。最初に、ターゲットとした企業のリーダーシップと経営スタイルの両方に極端な変化を要求すると、
ターゲットとなった企業は彼のターゲットから外してもらうために、しばしば「グリーンメール」代を支払いました。
(注:グリーンメール:あらかじめある企業の株式を買い占めておいて、企業に対し高額でその株式を引き取るよう迫る)。

しかし、20世紀末までに、彼は物言う投資家に変身しました。投資家は彼にしたがって、彼が焦点をあてた事業に参入しました。
アイカーン氏が株主価値のふたを外す(実態を明らかにする)との予測による株価の上昇は、「アイカーン・リフト」(株価上昇)と呼ばれているほどです。

<投資哲学>
アイカーン氏は、「私の投資哲学は、例外を除いて、一般的には、誰も買いたいと思わないとき買うことだ」と述べています。
具体的には、株価の低迷した企業に着目し株主として一定の地位を占めたあとで、株主にさらに価値をもたらすために、全く新しい取締役員会の選出や事業の売却を要求します。

<これまでの主な買収事案>
1980年代に航空会社の米TWA(トランスワールドエアライン、現在はアメリカンエアラインへ統合)への敵対買収で勝利し、一躍有名になりました。

1985年にアイカーン氏は航空会社TWAを、買収し、すぐ後に、効率性を追求して、より大きな利益を生み出すために、
いくつかの小規模の地方航空会社を買収してTWAの規模を拡大したあと、最も重要な航空ルートを競合他社に売却するなどを経て、巨額の利益を上げた後、去ってゆきました。

今回の米ゼロックスのケースに似た例としてモトローラを巡る買収を見てみましょう。

モトローラ買収事件

モトローラは米国を代表する通信機器メーカーでしたが、2007年頃から、技術革新に乗り遅れ、
ノキア等に市場シェアを奪われ、株価の低迷に陥りました。

このようなモトローラに目をつけたアイカーン氏は、モトローラ株を買い集めて大株主となり、
経営の改善とともにアイカーン氏による取締役の推薦を受け入れるよう迫りました。

同時に、アイカーン氏はモトローラに対して委任状争奪戦と経営情報の提出を求める訴訟を起こし、
経営に対する圧力を高めてゆき、結果として、モトローラは、アイカーン氏の推薦する取締役2人を受け入れることを決定しました。

以上のような働きかけを通じて、アイカーン氏はモトローラの経営陣に対する影響力を強め、
経営効率化を目的としてモトローラの携帯電話事業を分社化させました。

こうして分社化されたモトローラ・モビリティは、その後、グーグルにより125億ドルで買収されることになりました。
この大型買収によって、アイカーン氏は少なくとも4億ドル以上の利益を得たとされています。

このようなモトローラを巡るアイカーン氏の戦略は、まさに物言う投資家の面目躍起といえるでしょう。

さらに、経営権を握ることに失敗した場合でも、好条件での株式売却を狙うことで、利益を狙います。

2013年、デルはMBOを計画しましたが、アイカーン氏はその方針に反対し、
MBOへの対抗策を打ち出してデルの経営陣と買収合戦を展開しました。しかし、これに失敗し、デルの買収を撤回しました、

が、この買収合戦により、MBOにおけるデル株の買取価格が引き上げられ、
アイカーン氏はデルへの投資で約7,000万ドルの収益を得たといわれています。

米ゼロックス買収騒動との類似点

株価の低迷していた米ゼロックスに眼をつけて、株を買い、大株主としての地位を得た後に。
経営の改善とともにアイカーン氏推薦の取締役を受け入れるよう迫りました。

最近では買収手続きに必要な臨時株主総会での委任状争奪戦を視野にいれて、これを収束する条件として、
富士フイルムにゼロックス株1株当たり少なくとも40ドル(現在の株価に対し40%以上上回る)を提示すれば、買収提案を検討すると表明しました。

買収を認めたとしても、これなら、株主として、利益を十分上げられます。果たして、他のほとんどの株主が、
ゼロックスの将来を考え、富士フイルムの提案に従って、アイカーン氏の提案に反対するでしょうか?

これらの戦略はすべてアイカーン氏がこれまで取ってきた戦略に含まれるものです。

さらに、富士フイルムにとってやっかいなことがあります。
アイカーン氏はトランプ大統領と極めて親しいことで、昨年夏に、利益相反の批判を受けて、
退任するまで規制改革の特別顧問を勤めていた。選挙前には、未来の財務長官の誘いさえあったほどです。

アメリカンファーストを掲げ、かずかずの物議を醸してきたトランプ大統領が、
電子複写方式を発明事業化した伝統あるアメリカ企業である米ゼロックス社、を日本企業に不利な条件でむざむざと買収させるでしょうか?

トランプ大統領なら、これを阻止しようと思えばどんな手を打ってもやるのではと予想されます。

次にゼロックス買収やアイカーン氏に対する日本のネットの反応を見てみましょう。

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アイカーン氏についてのネットの反応

*規約に準じて掲載しております。もし掲載不可でしたらすみやかに削除しますのでお問い合わせください。

富士フイルムの買収計画を楽観する意見はありません。アイカーン氏が何をやってくるか疑心暗鬼です。

まとめ

アイカーン氏のこれまでの投資戦略を見てきました。
今回のゼロックスへの株主としての動きがこれまでの彼の戦略に沿ったものだと考えられます。

最近の会計不祥事などについても言及し、富士ゼロックスを批判している
海千山千のアイカーン氏に富士フイルムは、勝てるのでしょうか?

アイカーン氏(82 歳)と古森重隆会長(78歳)の戦いがどう決着するかに注目されます。

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