数年前のツイッターでのヘイトスピーチが炎上したことをきっかけに、「二度目の人生を異世界で」のアニメ化作品の放送が中止となり、
さらに刊行された18巻すべてが出荷停止される事態となりました。原作者まいん氏ははどこで間違ったのでしょうか?
二度目の人生を異世界での原作者まいん氏はどこで間違ったのでしょう
原作者まいん氏が13年ごろ、中国や韓国を侮辱するヘイトスピーチをツイッターで繰り返していたことがネットで炎上し、
出演予定の声優陣が次々と降板を発表する騒動となって、ついに小説「二度目の人生を異世界で」の
アニメ化作品の放送と制作が中止が6月6日発表されました。
「二度目の人生を異世界で」が2018年10月より、アニメ放映されることが正式に告知されました。
・・・これも皆様のご愛顧、ご支援のおかげと感謝感激雨あられでございます。」
と、5月22日にツイッターで喜びを語っていたまいん氏ですが、
わずか2週間で、事態は急展開し、謝罪に追い込まれてしまいました。
発表文では、ヘイトスピーチについての謝罪の外、「二度目の人生を異世界で」の一部表現でも、
「自らの拙い文章表現と軽率な発言により、不快感を与える文章となってしまっている」として陳謝していました。
同時に、追伸で述べていた「18巻が5月24日に出ますので、こちらもあわせてよろしくお願いします。」
も、これまでに刊行された計18巻すべてが出荷停止されることになってしまいました。
まいん氏はどこで間違ったのでしょうか?
もちろんヘイトスピーチと非難されたツイッターを作者自身の公式アカウントを使用し、
中国や韓国など顧客となる層を貶めた点も大いにあります。
確かにヘイトスピーチの内容は酷いと思われるものですが、一つのきっかけであり、
批判を招いた根本原因は、「二度目の人生を異世界で」の作品の内容そのものにありそうです。
小説の問題箇所
剣客の主人公は物語では「中国を侵略し3000人以上を虐殺した日本軍兵士であることが暗示されていた」と中国メディアは批判しています。
5月30日の環球時報が、
「主人公が2014年の小説の連載時点で94歳と設定されていれば、彼は1920年に生まれたことになり、
15歳で中国に来た時には、1935年となるはずで、1935年とは、5年後は 1940年の第二次世界大戦となる。
4年間で彼は3000人を虐殺したことになっており、日本軍の中国侵略を完成させた時期と一致する。」
よって、読者は数年前から南京大虐殺の犯人ではとの疑問を提出していた。
同時に、この小説の漫画の主人公は、日本の侵略時代に日本の軍服を着ており、
以上の歴史的背景に沿っているとしています。
この作品の中国語の漫画の該当箇所が掲載されていることから、
このような内容の漫画が中国で公開されていたことをメディアが問題にしているようです。
この主人公の声優に予定されていた増田俊樹さんには、ファンから
出演すると、今後仕事がなくなるのでは、と心配のツイッターも寄せられていました。
すなわち、きっかけは、数年前のツイッターの内容でしたが、小説自身が当然対象となることを
予想される読者を貶める内容を含んでいたということであり、
これは表現の仕方の問題で済まされなくなったということだと思われます。
次に今回の騒動についてのネットの反応を見てみましょう。
今回の騒動に関するネットの反応
差別発言がどうして割に合わないのかも解説してみました。
原作者の差別発言で主演声優全員一挙降板、「二度目の人生を異世界で」アニメ化が台無しに | BUZZAP! https://t.co/EhSUioKki3 pic.twitter.com/CpVKY3EhDy
— BUZZAP!(バザップ!) (@BUZZAP_JP) 2018年6月6日
「幸色のワンルーム」も「二度目の人生を異世界で」も、作品の設定自体に問題があるので出版中止や放映中止を求めているのに、なぜか「公権力による表現の自由規制を認めるのか」と言い出す人が現れる。これまで差別的な表現があったりしたため出版停止になったり放映中止になったりしたことはあるのに
— 瑠璃子(桜島よし子) (@37_2_le_matin) 2018年6月6日
『二度目の人生を異世界で』
一夜明けたらアニメも制作中止とのこと。映像作品の消費者として、アジア商圏が無視し得ない大きさだからという実利的な理由の決定だろう。日本は貧しくなり、アジア諸国は所得や国力を増すばかりだから、これからはビジネス面の要請からもヘイトへの忌避は強まるだろう。— フリップ村上 (@fripp_murakami) 2018年6月6日
*規約に準じて掲載しております。もし掲載不可でしたらすみやかに削除しますのでお問い合わせください。
出版停止は行き過ぎだというコメントの一方、漫画やアニメの中国、韓国市場を考えれば、
ビジネスの観点から見て当然の結果だとの意見もでています。
まとめ
ネットでのヘイトスピーチはきっかけであり、作品そのものの内容に作者の姿勢が問われたのではと思えます。
今回、この作者の一作品のみが問題にされたのではなく、作者自身の過去の言動の含めて問題にされ、
作家として個人としての姿勢が問われたとなりますと、他の出版社も、引き受けにくくなることが予想されます。
今後、作家としての活動も危うくなる懸念が多々あります。
謹厳実直だけでは、作品は生まれないとは思いますが、ライトノーベルとはいえ、
世に作品を問うからには、作者として基本姿勢は守る必要があったのではと考えられます。
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