毎年プール事故の事例が報告されており、安全マニュアル等が公表されても、いっこうに減りません。
なぜなのかを調べてみました。
プール事故事例が毎年なぜ減らないのでしょう
陽気も良くなって、いよいよスイミングの季節が到来します。
それとともに、水難事故のニュースを聞くようになり、十分管理されているはずのプールでも、重大事故が後を絶ちません。
平成23年7月に、神奈川県大和市の幼稚園のプールで起こった当時3歳の園児の死亡事故に基づき、
文部科学省などが「プールの安全標準指針」を作成しましたが、それ以降も毎年プール事故は続いています。
昨年8月にも私立保育園で、4歳児のプールでの死亡事故が起こりました。
まずこれまでのプール事故の事例を見てみましょう。
昨年(H29)一年間のプール事故は以下の通りです。
昨年のプール事故の一覧
痛ましい死亡事故は、8月に起こった私立保育園での1件のみですが、
幸いにも助かったものの、一時意識不明になった事故が5件もあります。
平成23年から平成28年に至る幼稚園、保育園でのプール事故事例を調べました。
平成23年からの幼稚園、保育園でのプール事故
昨年の事故を含めますと、5人の児童が亡くなられています。
さらに、表にはありませんが、消費者事故調のアンケートによれば、子どもの治療が必要な事故が過去3年間に少なくとも37件あったほか、
一歩間違えると事故につながるヒヤリハットも522件あったということで、プールは常に危険と隣り合わせの状況です。
「プールの安全標準指針」では、必ず監視役の職員を置き、十分な監視体制が確保できない場合はプール活動を中止するとなっています。
プールの安全標準指針(平成19年3月 文部科学省 国土交通省)
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2010/04/08/1292465_10.pdf
なぜこのような状況なのか?
最近の消費者事故調の調べでは、プール事故対策について25%が改善実施せずという報道がありました。
改善しなかった理由として
「改善の必要性を感じなかった」が43.4%、
「人員が不足している」が23.2%
施設として
「指導マニュアルを整備していなかった」 26.2%
「事故対応の訓練を行っていない」60.2%
監視員も安全基準を考えると、以前のように父母がボラティアでやれることもできなくなっています。
また、安全や事故での責任を考え、夏の学校プールの開放を取りやめる学校も増えていると聞きます。
筆者は、年間プールで100回以上は泳ぐ水泳愛好家ですが、毎年の子供水泳教室開催や競技会での事故をいつも心配してます。
十分な監視体制が確保できない場合はプール活動を中止せよとは、そのとおりですが、こんままだと、幼児期に水に親しめず、
中国のように泳げないひとが増えて、池や川での溺死者が増えるなどの懸念も考えられます。
プール事故に関するネットの反応を見てみましょう。
プール事故に関するネットの反応
NHKのニュース見てて、保育園でのプール事故対策が不十分なニュースに対し、自分の園では起こらないと思わずに…とコメントしてて、保育園側を一方的に責めるのはどうかと思うと感じた
アンケートでも、人手不足と回答があったんだから、対応したくてもできない保育園の事情も鑑みてあげるべきでは?— うろおぼえP (@urohoboe) 2018年4月24日
ここの部分で
昨年も不満の声が聞かれたが
生命を守ってなんぼの保育です!
「指導役の職員とは別に必ず監視役の担当者を置き」
置けなかったらプールはやらない決断が大事ですプール事故対策25%が改善せず|NHK 神奈川県のニュース https://t.co/E56ldGruM0
— あじさい葉子 (@azisaisetsuko) 2018年4月24日
炎天下の監視「限度が」 子どものプール事故防ぐには https://t.co/wnGM3Dd2SQ pic.twitter.com/jweokuIGmD
— ひろしの 思い出 (@hiroshi284) 2018年4月24日
どうか、他人事だと思わないでほしい。どこで起きてもおかしくないと思ってほしい。
プール事故対策25%が改善せず|NHK 神奈川県のニュース https://t.co/aExST2fMVY
— 阿部 一美 (@km090621) 2018年4月24日
プール事故実態調査 6割が訓練実施せず https://t.co/OmJ8tTqn6g #ichannel
プール事故の訓練の仕方さえ忘れてるんじゃないのか…?— しょうたん㌠ (@mazitouhuTwT) 2018年4月24日
*規約に準じて掲載しております。もし掲載不可でしたらすみやかに削除しますのでお問い合わせください。
施設側に厳しい意見が多くそのとおりですが、このままゆくと、ほとんどがプール活動を止めてしまうという事態にもなりかねません。
まとめ
「プールの安全標準指針」はあるものの現実には、これを限られた人数で、完全に守るのが難しく、
そのすきに事故や一歩間違えば事故につながるヒヤリハットが起こっていると思います。
陸上だと怪我程度で済むことが、水中では生命にかかわってくるということをしっかり認識してほしいと思います。
これまでも、水深20cmで幼児が溺死しています。
国や地方自治体も、マニュアルに従わないのが悪いというだけでなく、
命にかかわることですので、人で不足などに対応する施策をもうすこし考えるなどの対応ができないのでしょうか?
健康のための運動を勧めている高齢者も含め、皆が安全に泳ぐ楽しみを見つけられるような
環境になることを願っていますし、個人的にも努力したいと思っています。
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