フランスのカンヌ国際映画祭で是枝裕和監督が、最高賞のパルムドールを受賞しました。
どのような賞で、フランスとはかかわりが強い北野監督は受賞したことはあるのでしょうか?
パルムドールとは?北野監督の受賞歴は?
第71回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に選出された是枝裕和監督の「万引き家族」がパルムドール(最高賞)を受賞しました。
日本人監督作品が最高賞を受賞するのは1997年、今村昌平監督の「うなぎ」以来、5回目、21年ぶりということになります。
パルムドールとは?
パルムドール(Palme d’Or)とはカンヌ国際映画祭の最高賞のことで、授与されるトロフィーの形にちなんで
「パルムドール」(黄金のヤシ)と呼ばれています。
ナツメヤシは、フランスでは、勝利・栄誉の象徴とされ、カンヌ市章にも使われています。
1954年以前は、最高賞を「グランプリ」と呼んでいましたが、1955年以降「パルムドール」と呼ばれるようになり、
1990年からは審査員特別賞のことを「グランプリ」と呼ぶようになっています(Wikipedia参照)。
日本人監督が最高賞を受賞したのは5作品で、北野監督の名前はありません。
今村昌平監督は2度受賞しています。
1954年(グランプリ) 「地獄門」 衣笠貞之助
1980年(パルムドール) 「影武者」 黒澤明
1983年(パルムドール) 「楢山節考」 今村昌平
1997年(パルムドール) 「うなぎ」 今村昌平
したがって、今回の日本の監督の受賞は、久しぶりの快挙と言えます。
カンヌ国際映画祭というと、何度も北野監督の作品が話題になっていたように思いますが、
意外にもパルムドールはもちろん、作品としての北野監督の受賞はありません。
カンヌ国際映画祭と、北野武監督のこれまでのかかわりについて見て行きましょう。
北野武監督とカンヌ映画祭
1993年 「ソナチネ」が、「ある視点」部門に正式出品されました。
1996年 「キッズ・リターン」が、「監督週間」招待作品として上映されました。
1999年 「菊次郎の夏」が、正式コンペに出品されましたが、受賞を逃しました。
2007年 短編「素晴らしき日曜日」が上映されました。これはカンヌ映画祭60周年を記念し、カンヌが選んだ監督35人、それぞれが「劇場」といったテーマで3分の短編を撮ったものです。
2010年 「アウトレイジ」が、正式コンペに出品されましたが、受賞を逃しました。
この中では、「菊次郎の夏」が、公式上映時には、約5分間のスタンディングオベーションを受けるなど、
現地で最も評価が高く、パルムドール確実と言われていました。
さらに、北野武とフランスとのかかわりとしては、1999年にフランス政府より最高勲章であるレジオン・ドヌール勲章を
「世界中で名を馳せたアーティスト」との功績を称えて授与されています。
カンヌ以外の、世界3大映画祭としても、1997年に「HANA-BI」で、
ヴェネツィア国際映画祭の最高賞「金獅子賞」を受賞しています。
出品していないベルリン映画祭は別として、北野武監督はフランスで、これほど評価が高いにも関わらず、
カンヌ映画祭の賞とはこれまで、なぜか縁がありませんでした。
次に今回の受賞や、カンヌと北野武監督についてのネットの反応を見てみましょう。
パルムドールに関するネットの反応
『万引き家族』がカンヌでパルムドール受賞!
すごい!すごい!!
リリーさん、サクラ、是枝監督、関わった皆さん本当におめでとう😊
とても嬉しくなった。— Yojiro Noda (@YojiNoda1) 2018年5月19日
【速報】第71回 #カンヌ国際映画祭 にて是枝裕和監督『#万引き家族』が最高賞のパルムドールを受賞🎊同監督はカンヌ7回目、コンペティション部門5回目の出品で初の栄誉に👏👏👏 pic.twitter.com/pLJMAd4CU9
— Fan’s Voice (@FansVoiceJP) 2018年5月19日
是枝裕和inカンヌ国際映画祭
第54回『ディスタンス』→無冠
第57回『誰も知らない』→男優賞(柳楽優弥)
第62回『空気人形』(ある視点部門出品)
第66回『そして父になる』→審査員賞
第68回『海街diary』→無冠
第69回『海よりもまだ深く』(ある視点部門出品)
第71回『万引き家族』→パルムドール— 久保田 和馬/Kazuma Kubota (@Kazuma323_K) 2018年5月19日
北野武はパルムドールもうあきらめたのか
— 堕天使みやん (@Fuck4loveEl) 2018年5月19日
<2010年、菊次郎の夏などのツイート>
カンヌ最高賞「パルムドール」に初のタイ映画 北野作品受賞逃す、仏紙は酷評 http://bit.ly/aHIrCz
— amamamamamamam (@amamamamamamam) 2010年5月23日
こんにちは!次回上映作が決まりました!北野武監督の『菊次郎の夏』を上映します!1998年のカンヌ国際映画祭ではパルムドール候補とまで言われた感動作です。6/7、21:00より上映開始!ご参加希望の方やご質問は sugamo403@yahoo.co.jp まで!
— 早稲田名画座PJ・シネマテーク (@wasedacinemathe) 2014年5月26日
*規約に準じて掲載しております。もし掲載不可でしたらすみやかに削除しますのでお問い合わせください。
是枝監督受賞の喜びとともに、是枝監督がカンヌのコンペティション部門5回目の出品と、非常にカンヌにこだわられたことがわかります。
まとめ
北野監督は、「菊次郎の夏」でパルムドール受賞のもう一歩のところまで行きながら、
逃したときに、かなり悔しがっていらっしゃったようです。
2010年の「アウトレイジ」出品以降10年近くになりますが、
これからも、チャレンジされるのでしょうか?
是非、今回の是枝監督パルムドール受賞についてのコメントを伺い、
そのお気持ちを知りたいと思います。
この記事へのコメントはありません。