イルカショーは海外では非常識なことだという考えがあることを初めて知りました。
日本では当たり前に水族館のショーとしてイルカショーがありますが、
2018年9月11日にセーリングの「ワールドカップ(W杯)江の島大会」の開会式で行われたイルカショーが
一部海外からバッシングされ、主催者も謝罪する事態となりました。
なぜこれだけ批判されたのか?私たち日本人はこれからイルカショーに対してどういう態度をとっていけばいいのか?
見ていきましょう。
イルカショーは海外では非常識だった!?
事件は9月11日のセーリング大会。セーリングとはヨットのように、風の力を利用して船をコントロールしていくものです。
日本ではマイナー競技ですが五輪競技でもあるようです。
日本主催のワールドカップにて、好意でイルカショーを見せたところ、それを見た外国人の一部が怒った、というわけです。事前にショーの内容を知っていたら中止させていた、と。
セーリング:W杯 開会式でイルカショー 国際連盟「落胆」 実行委、欧米の抵抗感配慮欠け https://t.co/5W02espHLV
— 毎日新聞 (@mainichi) 2018年9月11日
批判が起きた理由は「日本の常識」と「海外の常識」が違うからと言えるかもしれませんが、単純に日本vs海外というわけではありません。これは個々の信条にもよるでしょう。
昔からの文化的違いというわけではなく、今国際的にイルカ保護の傾向にあるので
最近の考え方を知らなかったというのもあるかもしれません。
和歌山の「イルカ追い込み漁」も問題になっていきました。
和歌山県太地町で9月1日に始まった追い込みイルカ漁をめぐり、反捕鯨団体シー・シェパード(SS)の創設者、ポール・ワトソン容疑者(67)=国際手配中=が現地に活動家を派遣し、抗議活動を再開することを宣言した。https://t.co/X7c0obQNMv
— ulala france (@ulala_go) September 7, 2018
動物愛護団体は世界にありますが、上記のシェパードは有名ですし、
中国にもイルカを水族館に置くことに反対する団体があります。
私も含め、日本での感覚以上に世界ではセンシティブになっていたということです。
もちろんこれに関してはいろいろと団体に対する批判はあります。
これは動物愛護団体事態への批判となりますが、過剰になりすぎて
その理論で行くと動物すべてを食べてはいけないことにならないのか、など
どの動物が良くてどの動物がダメといったあいまいな基準に、ただの感情論ではという声もあります。
このへんは非常に難しい問題であります。
さらに調べると、根本的なことが分かってきました。
イルカ保護の経緯・理由は?
なぜこれほどまでにイルカ保護の思想が世界に広まったのでしょうか?
これはここでは語りきれないほどの大きな問題ですが、ここでは簡単に経緯と理由を端折ってお伝えします。
例えば和歌山県のイルカの追い込み漁は、見た目残酷なやり方なのですが、これについて
世界動物園水族館協会(WAZA)と、日本動物園水族館協会(JAZA)がずっと話あってきたことで
そのやり方で得たイルカを水族館に入れることを最近やめるということが決定したのです。
基本的に日本はイルカ漁を認めています。
日本は「イルカを含む鯨類は重要な水産資源であり、科学的根拠に基づき持続的に利用すべき」という基本方針の法律がありますし
イルカ漁を禁止している国やWAZAもそれに対しては一定の理解があるようです。
恐らく、今回のイルカショー批判は、数年前から議論になった(2014,15年位に大きなニュースとなったと思います)
和歌山の太地町のイルカ追い込み漁の悪いイメージが元にあるのかもしれません。
(あくまで太地町は合法なことですが、見た目が様々な理由から残酷に見えます)
イルカショーもそれを連想してしまう外国人が多いのが現実なのではないでしょうか?
根本は2009年なのかもしれない
さらにさかのぼりますと2009年に、イルカ漁が残酷だ、ということを痛烈に印象付ける映画が話題になったのです。
それはいわゆる
日本の捕鯨問題と和歌山県太地町のイルカ漁を断罪する映画であり
『ザ・コーヴ』
と言います。
映画というのは非常に洗脳効果も高いので(洗脳されているというのは語弊があるとは思います。ひとつの価値観の主張であり、間違った映画という意味ではありません)
これを見たらいっきに「イルカを保護すべし!」という気持ちになってしまいます。
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これが、今回の事件の元の元、と言っていいと思います。
これをきっかけに世界的に日本のイルカ漁が批判される形となりました。
いっぽうで、なぜか国内のマスコミはそこまで批判的にやめよう!という感じではないのと
あまり報道が継続してされませんでした。
それはもしかしたら、それで生活している人への配慮なのか、団体から圧力があったのか、分かりませんが
マスコミがあまり報道しなかったため、我々はイルカ問題に疎いのです。
参考:NHKクローズアップ現代
http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/3666/1.html
イルカショー批判にネットの反応は?
意図を説明して理解を求めるべき
ショーの事前許可をとってなかったことへの謝罪でしょう
出典:twitter
まとめ
いかがでしょうか?
イルカ漁に対する抵抗感は日本人にあまりなじみのなかった感覚でしょう。
・2009年の映画『ザ・コーヴ』をきっかけに日本のイルカ漁が世界から批判されるきっかけとなる
・日本と世界の水族館連盟が議論してきた経緯もある
・マスコミはそこまで大きく問題視してこなかった
これらのことが今回のイルカショー批判につながったと言えると考えます。
今後、世界の見方をどうとらえ、日本のイルカに対する概念をどうしていけばいいか
考える時なのかもしれません。
とりあえず『ザ・コーヴ』を見てみるのもよいと思います。
同時にそれで生活している人、それで支えられてきた産業があり、文化があることなど、
勉強する対象はたくさんあることに気づかされます。
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