米カリフォルニア州の裁判所で、州内で販売されるコーヒーに発がん性を警告するラベルの貼るようスターバックスなど
の販売業者に命じた判決が確定しました。発がん性リスクを減らすためのコーヒーの飲み方を調べました。
発がん性リスクを減らすコーヒーの飲み方はあるのか?
コーヒーには、焙煎過程でアクリルアミドという化学物質が含まれることがはっきりしており、アクリルアミドの発がん性については、
(WHO)の外部組織である国際がん研究機関(IARC)が、「ヒトに対しておそらく発がん性がある」と2Aに分類されている化合物で、
2005年には、WHOなどにより「食品中のアクリルアミドは健康に害を与える恐れがあり、含有量を減らすべき」という勧告を発しています。
アクリルアミドができる主な原因は、コーヒーなどの食品の原材料に含まれているアスパラギン(アミノ酸の一種)と
果糖、ブドウ糖などの還元糖が、揚げる、焼く、焙るなどの調理中の加熱(120℃以上)により
アミノカルボニル反応を起こして生成すると考えられています。
これまでの報告で、特にアクリルアミドが多く含まれていた食品は、ポテトチップス、フライドポテトなどのじゃがいもを揚げたスナックや、
ビスケットなどの小麦を原料とする焼き菓子です。
また、コーヒー豆やほうじ茶など、高温で焙煎した食品にもアクリルアミドが含まれていることが報告されています。
日本の農林水産省も「食品中のアクリルアミドを低減するための指針」を作成し、
コーヒーを含む食品中のアクリルアミド濃度の量を発表し、業界に軽減策を取るよう指導しています。
しかし、一方で、コーヒーは脳の機能を高め、代謝率を高め、運動能力を向上させ、定期的に摂取することで、
認知症、アルツハイマー病、パーキンソン病および2型糖尿病のリスクを低下させるとのポジティブな研究報告もなされています。
コーヒーを飲む人は長生きする、コーヒー摂取量を1日2カップ増加させた人々は、
肝臓ガンのリスクを40%低下させましたなど発がん性を減らすなど健康に良いという話も多く聞かれます。
つい先日のテレビ番組でも、コーヒーを飲むと、筋梗塞や脳卒中の死亡リスクが減り、
認知症になりにくいなどの効果をうたっていました(含まれるカフェイン クロロゲン酸 イソフラボンなどの効果)。
では、毎日コーヒーを飲んでいる愛好家の我々は一体どうすれば良いのでしょうか?
コーヒー党の取るべき道は?
“コーヒー中のアクリルアミド:心配すべき?”という記事で見てみましょう(米Healthline参照)。
コーヒーを定期的に飲むと、認知症、アルツハイマー病、パーキンソン病および2型糖尿病のリスクを低下させることははっきりしています。
何よりも、コーヒーを飲む人は長生きするようです。
しかし、コーヒーにはアクリルアミドが含まれており、過度に摂取すると、
神経系の損傷を引き起こし、またがんのリスクを高めると考えられています。
コーヒー豆が焙煎されると、アクリルアミドが生成されます。コーヒーからアクリルアミドを取り除く方法はないので、
コーヒーを飲むと、自分自身の体をアクリルアミドにさらすことになります。
動物の研究では、アクリルアミドを体内に取り込むとがんを引き起こすことが繰り返し証明されています。
しかし、動物に与えられる量は、ヒトが食事によって摂取する量よりも1000〜100,000倍多いものでした。
残念ながら、食物中のアクリルアミドの安全性に関するヒトの研究はほとんどなく、結果も矛盾しています。
では、どのくらいのアクリルアミドがコーヒー中に含まれているでしょう?
コーヒー中のアクリルアミドの量は種類によって大きく異なります。
2013年の研究では、11種類のインスタントコーヒーと3種類のコーヒー代替品(穀物コーヒー)を含む42種類のコーヒーサンプルが分析されました。
インスタントコーヒーは新鮮な焙煎コーヒーよりもアクリルアミドを100%多く含み、
コーヒー代替品(穀物コーヒー)は、300%多く含む結果を得ました。
また、アクリルアミドが加熱過程の早い段階でピークに達し、その後減少することから、
より薄い色のコーヒー豆は、より長く焙煎された濃いコーヒー豆よりアクリルアミドを多く含んでいました。
コーヒー中のアクリルアミドの量は焙煎の仕方によって大きく変化し、
よく焙煎された濃色の新鮮なコーヒー豆が、一番低い値を示します。
では、アクリルアミドを避けるためにコーヒーを飲むのを止めるべきでしょうか?
コーヒーが、ヒトのがんのリスクを高めることは証明されていません。
逆に、肝臓癌などのいくつかの種類の癌のリスクが低下することが発表されています。
日常生活でも、ヘルスケア製品などに含まれ、アクリルアミドを完全に避けることはできません。
コーヒーには、健康に有益な多くの化学物質が含まれています。
アクリルアミドを完全に含まないコーヒーを買うことはできませんが、
コーヒー業界はその存在を減らすための実用的な解決策に取り組んでいます。
ダークローストされたコーヒーを選び、インスタントコーヒーとコーヒーの代替品を避けることなどで、
アクリルアミドの摂取量を減らす努力をしてください。
健康へのメリットもあるので、コーヒー愛好者は、コーヒーを飲むのをやめる必要はないでしょう。
次にこの判決に対するネットの反応を見てみましょう。
判決に対するネットの評価は?
コーヒーは体にいいと言ったり発がん性があると言ったり忙しい。
スタバは判決で義務化、セブンイレブンは判決前に和解。https://t.co/CxVPd0Q95d— 村中璃子 RIKO MURANAKA (@rikomrnk) 2018年5月9日
これ先月ぐらいから話題になっていて認めたくない自分がいる
世界の雑記帳:米カリフォルニア州、コーヒー販売で発がん性警告を義務付け – 毎日新聞 https://t.co/qVv9mF1B83
— ヤマギシ (@yamagishibaster) 2018年5月10日
コーヒーはDMのリスク減るなど健康利益も指摘されてましたがこういう新発見もしばしば起きます。https://t.co/J8iJuCZMgu 「規則正しい食事」が「一点買いの投資」同様に危険な理由です。 コーヒーに発がん性の警告表示、スタバなどに義務付け 米加州 https://t.co/EJ89ldyQ3s @afpbbcomさんから
— 岩田健太郎 (@georgebest1969) 2018年5月10日
コーヒー好きなのでということではないが、完全に発がん性のない飲食物とか世の中にあるんかと思う派です。/ コーヒーに発がん性の警告表示 米加州のスタバなどに義務付け #ldnews https://t.co/EzmHwzpK9l
— basa-spurs (@basassang) 2018年5月9日
なんという魔女裁判。ポテチとフライドポテトにも書こうぜ。あとカレーとラーメンも。|コーヒーに発がん性の警告表示、スタバなどに義務付け 米加州 https://t.co/l04SSWquOc @afpbbcomより
— たけやす (@takeyasu) 2018年5月9日
油分焦がしてんだからまあそりゃしょうがないよね。でも、時代よのぅ・・・ たばこの次はコーヒーか。アルデヒドのほうでお酒だとおもってたんだが / “コーヒーに発がん性の警告表示、スタバなどに義務付け 米加州 写真1枚 国際ニュース…” https://t.co/ftn6hHf78o
— くいっぱ (@kuippa) 2018年5月9日
えーー??
そんな事言いだしたらあらゆるものに表示しなきゃならんくなるやん??コーヒーに発がん性の警告表示、スタバなどに義務付け 米加州 https://t.co/2SLn2aCTVi @afpbbcomさんから
— ✨🍡🌸き~さん.™ ♨٩(^Θ^)۶🍺🌸✨ (@keychan555) 2018年5月9日
*規約に準じて掲載しております。もし掲載不可でしたらすみやかに削除しますのでお問い合わせください。
この判決に大いに不満のひとが多いようです。
最近でも卵や牛乳についての健康情報が、しばしばひっくり返ります。
情報にあまり振り回されて極端な行動をとらない方がよさそうです。
まとめ
健康上の利点を考慮すると、アクリルアミドの摂取を最小限に抑えるようにして、
コーヒーを飲むのをあきらめることはないというのが結論のようです。
インスタントコーヒーは避け、できるだけ、長く焙煎された濃い色のコーヒーを飲む、
コーヒーを飲みすぎないなどが当面我々の対策となるでしょう。
がんを気にするなら、まず喫煙をやめることが優先されますし、
アクリルアミドを気にするなら、まずポテトチップを避けるべきでしょう。
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